BTとは(不妊治療)?「体外受精後の判定日までって何を気を付ければいいの?」過ごし方や症状のまとめ|柏の妊活鍼灸スタジオシュカ鍼灸治療院

2024-04-26  不妊治療

 

「BTってなに?」「判定日までって何を気をつければいいの?」「移植後の生活で注意すべきことは?」


体外受精で培養された胚盤胞を子宮に移植するBT(胚盤胞移植)は、近年注目を集めている不妊治療法のひとつです。
従来の初期胚移植よりも妊娠率が高いとされ、多くのご夫婦に希望を与えています。


ただし、BTには成功率や注意点、費用面など、知っておきたいポイントもたくさんあります。
特に「初めてBTを受ける」「判定日までの過ごし方が不安」という方は、悩みが尽きないことでしょう。


この記事では、妊活中の女性を多くサポートしてきた鍼灸師の視点から、体験に基づき、わかりやすくやさしい言葉で解説していきます。


この記事では、以下のような内容をわかりやすくお伝えします:


  • BT(胚盤胞移植)とは何か、その特徴
  • BTのメリット・デメリット
  • 判定日までの体調の変化や過ごし方のポイント
  • BTの成功率や注意点、費用の目安
  • 東洋医学の視点からの着床環境づくり

不安や疑問を少しでも軽くできるよう、ぜひ最後までお読みください。



BT(胚盤胞移植)とは?


BT(胚盤胞移植)とは、体外受精で受精した卵を子宮に戻す際、細胞分裂を5~6日程度進めて「胚盤胞」と呼ばれる状態まで培養してから移植する不妊治療法です。高度生殖医療の中でも特に注目されている技術の一つで、近年その実施件数が増加傾向にあります。


通常の体外受精では受精後2~3日の4~8細胞期(初期胚)で移植することが多いのですが、BTでは受精後5~6日、約100細胞以上に成長した状態で移植します。このように胚盤胞まで培養することで、自然妊娠に近い状態での移植が可能になります。初期胚よりも発育段階が進んでいるため、子宮内膜との相性も良く、着床の可能性が高まると考えられています。


胚盤胞は細胞分裂が進み、内部に将来赤ちゃんになる「内細胞塊」と、将来胎盤になる「栄養外胚葉」という2種類の細胞に分かれています。また、内部には液体で満たされた空洞(胞胚腔)も形成されています。この段階まで培養することで、より生存能力の高い胚を選別できるというメリットがあります。


胚盤胞のグレード評価について


胚盤胞は、その質によってグレード分けされます。一般的な評価方法としては、発育段階を示す数字(1~6)と、内細胞塊と栄養外胚葉の質を示すアルファベット(A、B、C)の組み合わせで表現されます。例えば、「4AA」は発育段階が良好(4)で、内細胞塊(A)も栄養外胚葉(A)も質が高いことを意味します。


このグレード評価は妊娠率にも関係しており、一般的に高グレードの胚盤胞ほど妊娠の可能性が高いとされています。ただし、グレードが低くても妊娠するケースもありますので、必ずしもグレードだけで判断するわけではありません。


BTと不妊治療の関係について

BT(胚盤胞移植)は、一般的な不妊治療の流れの中でも後半に位置する重要なステップです。
排卵誘発・採卵・受精の工程を経て、受精卵を培養した後に行うため、高度な治療ステージにある人が選択することが多いのが特徴です。


BTを受ける人に多いお悩み・不安

  • 着床までの過ごし方
  • 判定日までに出る症状
  • 妊娠判定の結果への不安

これらの不安を少しでも解消できるよう、以降で詳しく解説していきます。


BTのメリット


高い妊娠率

BTの最大のメリットは、従来の初期胚移植に比べて妊娠率が高くなる可能性があることです。胚盤胞まで培養できたということは、その胚には発育する力があり、着床する可能性も高いと考えられています。また、自然妊娠の場合も受精卵は胚盤胞の状態で子宮に到達するため、体内環境とのタイミングも合いやすいとされています。


データで見ると、初期胚移植の妊娠率が20~30%程度であるのに対し、胚盤胞移植では30~40%以上になるという報告もあります。特に35歳未満の比較的若い女性では、さらに高い成功率が期待できることもあります。


流産率の低さ

胚盤胞まで培養できた胚は、染色体異常などの問題を持つ胚が自然淘汰されている可能性が高いと考えられています。染色体異常は流産の主な原因の一つであるため、胚盤胞移植では着床に成功した場合の流産率が、初期胚移植に比べて低くなることが期待されています。


実際、複数の研究でも、胚盤胞移植後の流産率は初期胚移植と比較して低い傾向にあることが報告されています。妊活が長期化している方や、過去に流産を経験された方にとって、この点は大きな安心材料となるでしょう。


凍結保存が可能

余剰の胚盤胞を凍結保存することで、将来の治療に利用することができます。最近の凍結技術の進歩により、融解後の胚の生存率は非常に高くなっています。最近では新鮮胚移植よりも凍結胚移植の方が成績が良いとする報告もあり、体調を整えてから凍結胚を移植するという選択肢も増えています。


また、採卵・培養と移植のタイミングを分けることで、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスクを減らしたり、ホルモン値が安定した状態で移植を行ったりすることができるため、女性の体への負担を軽減することができます。複数の胚盤胞が得られた場合は、数年にわたって計画的に治療を進めることも可能です。


子宮内膜との同期がとりやすい

自然妊娠の場合、受精卵は胚盤胞になった状態で子宮に到達します。BTは自然な状態に近い形で移植するため、子宮内膜の状態と胚の発育段階の同期がとりやすくなります。このタイミングの一致が着床率向上につながると言われています。


胚盤胞移植と併せて体外受精と鍼灸の融合も検討されている方も増えています。東洋医学的アプローチで子宮環境を整えることで、着床の可能性を高める取り組みも注目されています。


BTのデメリット


費用が高い

従来の初期胚移植に比べて、培養期間が長くなるため費用が高くなります。一般的には、培養費用や胚盤胞の凍結保存費用などを含めると、一回のBTで20万円〜30万円程度の費用がかかるケースが多いです。医療機関によって料金体系は異なりますので、事前に確認することをおすすめします。


培養中に発育が止まるリスク

すべての受精卵が胚盤胞まで発育するわけではありません。培養の過程で発育が止まってしまうケースもあり、移植できる胚が得られないこともあります。特に年齢が高い方や卵子の質に問題がある場合は、このリスクが高まる傾向にあります。


精神的な負担が大きい

採卵から胚盤胞培養、そして移植までの過程は時間がかかり、その間の待機時間や「胚が順調に育っているか」という不安が精神的な負担となることがあります。また判定日までの「着床したかどうか」という不安も大きなストレス要因となります。


不妊治療の心と体を守る!メンタルケアの重要性と役立つ情報をご参照いただくと、治療中のストレス管理に役立つヒントが見つかるかもしれません。


BTの成功率


BTの成功率は、様々な要因によって異なりますが、一般的には30~40%程度と言われています。ただし、この数字は医療機関や患者さんの状態によって大きく変動します。


成功率に影響を与える主な要因として、以下のようなものがあります:


  • 女性の年齢(特に35歳以上かどうか)
  • 卵子の質と精子の質
  • 胚盤胞のグレード(質の評価)
  • 子宮内膜の状態
  • 移植時のテクニック

特に年齢は大きな要因となり、35歳未満では成功率が40%以上となるケースもありますが、40歳以上になると20%程度まで低下することもあります。


胚盤胞のグレードも重要で、内細胞塊と栄養外胚葉の状態によってAA、AB、BBなどとランク付けされ、グレードが高いほど妊娠率が高くなる傾向があります。


また、不妊治療における採卵の質や数も成功率に影響します。採卵数が多いほど、質の良い胚盤胞が得られる可能性が高まります。


BTの注意点と移植後の過ごし方


移植後の安静について

移植直後は30分〜1時間程度の安静が推奨されることが多いですが、その後の過ごし方については医療機関によって見解が異なります。過度な安静は血流を悪くする可能性もあるため、普段通りの生活で問題ないとする医療機関も増えています。ただし、激しい運動や重い物の持ち上げ、長時間の入浴など、子宮に負担をかける可能性のある行動は避けることが望ましいでしょう。


判定日までの体調変化

移植後から妊娠判定日(通常移植後9~14日程度)までの間、様々な体調変化を経験される方がいます。これらの症状は個人差が大きく、また妊娠の有無とも必ずしも一致しないことを理解しておくことが大切です。


よく報告される症状:

  • 軽い腹痛や腰痛:移植後3~7日頃に感じることがあり、着床に伴う症状の可能性もありますが、ホルモン剤の影響や心理的要因の場合もあります。
  • 少量の出血(着床出血):移植後6~12日頃に、ピンク色や茶色の少量の出血が見られることがあります。これは胚が子宮内膜に着床する際の出血と考えられていますが、全ての妊娠でみられるわけではありません。
  • 胸の張りやむくみ:ホルモン剤の影響や、妊娠初期症状として現れることがあります。
  • 眠気や疲労感:プロゲステロンの影響による場合や、精神的なストレスによる場合もあります。
  • 頻尿:妊娠初期症状として現れることがありますが、心理的要因の場合もあります。

大切なのは、これらの症状があるからといって必ずしも妊娠しているとは限らず、また何も症状がなくても妊娠している可能性は十分にあるということです。ある調査では、妊娠に至ったケースの約30%では特に自覚症状がなかったという報告もあります。


不安な症状がある場合は、担当医に相談することをおすすめします。特に強い腹痛や大量の出血がある場合は早めに受診しましょう。


ストレス管理の重要性

判定日までの「待つ時間」は非常にストレスが溜まりやすい期間です。ストレスは免疫系やホルモンバランスに影響を与え、着床環境に悪影響を及ぼす可能性があります。リラクゼーション法や軽い運動、趣味に没頭するなど、自分なりのストレス解消法を見つけることが大切です。


おすすめのストレス軽減法:

  • 呼吸法:1日数回、ゆっくりと深呼吸を行うことでリラックス効果が得られます
  • 軽いウォーキング:無理のない範囲での軽い運動は、ストレス軽減と血流改善に役立ちます
  • アロマテラピー:ラベンダーやカモミールなどのリラックス効果のある香りを活用する(ただし、妊活中に避けるべき精油もあるので注意が必要です)
  • ポジティブな気分転換:好きな映画を観る、音楽を聴く、読書をするなど
  • サポートグループへの参加:同じ経験をしている人との交流は大きな心の支えになります

不妊とストレスの関係|妊活中の心のケア方法も紹介の記事も参考にしてみてください。


食事と生活習慣

移植後の食事は特別なものである必要はありませんが、血流を促進する食材や抗酸化作用のある食材を意識的に摂ることで、着床環境を整える助けになるかもしれません。また、適度な温かさを保ち、十分な睡眠を取ることも大切です。


移植後の食事で意識したい栄養素と食材:

  • タンパク質:良質なタンパク質は胚の発育に必要です(鶏肉、魚、豆腐、卵など)
  • 鉄分:血液の質を高めるために重要(ほうれん草、レバー、ひじきなど)
  • 葉酸:神経管閉鎖障害のリスク低減に役立つ(ブロッコリー、ほうれん草、レバーなど)
  • オメガ3脂肪酸:抗炎症作用があり、着床環境を整える可能性(青魚、亜麻仁油など)
  • 抗酸化物質:細胞のダメージを防ぐ(ベリー類、ナッツ類、緑茶など)

生活習慣面では、十分な水分摂取、腹部を冷やさないこと、適度な活動と十分な休息のバランスを取ることが重要です。過度な心配や行動制限はかえってストレスになるため、医師のアドバイスに従いながら、自分の体と相談して無理のない範囲で過ごすことがポイントです。


当院では東洋医学の視点から、子宮の血流を改善し着床環境を整えるアプローチも提案しています。詳しくは【不妊に悩むあなたへ】鍼灸で着床率アップを目指そう!をご覧ください。


BTの費用


BTの費用は、医療機関によって大きく異なりますが、一般的には以下のような内訳になります:


  • 採卵・培養費用:15万円〜25万円程度
  • 胚盤胞培養追加費用:2万円〜5万円程度
  • 胚盤胞凍結保存費用:5万円〜10万円程度
  • 凍結胚移植費用:10万円〜15万円程度

トータルでは、30万円〜50万円程度かかることが多いです。また、凍結保存している場合は年間の保管料も別途かかります。


助成金制度を利用できる場合もありますので、お住まいの自治体の制度を確認されることをおすすめします。また、【不妊治療】鍼灸の保険適用について徹底解説もご参照ください。


BTを受ける前に


BTを受ける前に、必ず医師に十分な説明を受け、疑問点は解消しておくことが大切です。以下のような点について、事前に確認しておくとよいでしょう:


  • 自分の年齢や状態での成功率の目安
  • 胚盤胞のグレード評価の仕組みとその意味
  • 凍結胚移植と新鮮胚移植、どちらが自分に適しているか
  • 移植する胚盤胞の数(単胚移植か複数胚移植か)
  • 費用の詳細と助成金の適用可能性

また、人工授精と鍼灸治療の併用など、他の治療法との併用についても検討の余地があります。


東洋医学から見たBTと着床環境


東洋医学の視点からは、BTにおける着床環境の整備は「気・血・水」のバランスを整えることが重要と考えます。特に子宮への血流を改善する「血」の巡りを良くすることが着床率向上に繋がるとされています。


鍼灸治療では、主に以下のような効果が期待されます:


  • 子宮周辺の血流改善
  • 子宮内膜の厚みや質の向上
  • ホルモンバランスの調整
  • 自律神経のバランス調整によるストレス軽減

特に、関元(かんげん)、三陰交(さんいんこう)、血海(けっかい)などのツボは、子宮環境を整えるために重要とされています。ホルモンバランスを整えるツボと鍼灸についてもぜひご参照ください。


まとめ:BTの可能性と限界を理解して


BTは、高い妊娠率が期待できる不妊治療法ですが、費用が高く、成功率は100%ではありません。メリットとデメリットを十分に理解し、医師とよく相談した上で、自分に合った治療法を選択することが大切です。


また、移植後の過ごし方については、過度な心配や過剰な安静よりも、リラックスできる環境づくりを心がけることが重要です。東洋医学の視点を取り入れた体質改善や、鍼灸治療による血流改善なども、着床環境を整える一助となる可能性があります。


BTを含む不妊治療は、身体的にも精神的にも負担が大きいものです。周囲のサポートを得ながら、自分のペースで進めていくことを大切にしてください。


BT以外の自然着床をご検討中の方へ


当院では、鍼灸による不妊治療のサポートを行っております。西洋医学的治療と東洋医学を組み合わせることで、身体の内側から妊娠しやすい環境づくりをお手伝いします。


医療機関と連携し、患者様のご状態やライフスタイルに合わせて、より取り組みやすい方法をご提案しております。【不妊治療に鍼灸は効果がない?】専門家が徹底解説!の記事も参考にしてみてください。


体験者の声もご紹介しております。

【不妊鍼灸のモニターレポート】


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