35歳からの人工授精、何回まで続ける?費用・成功率・ステップアップのタイミング

2024-12-17  不妊治療

35歳からの人工授精、何回まで続ける?費用・成功率・ステップアップのタイミング

35歳を過ぎて人工授精を始めると、様々な不安が押し寄せてきます。「このまま続けて大丈夫?」「いつ体外受精に進むべき?」という声をよく耳にします。

特に気になるのが、治療回数と費用の問題です。妊活完全ガイドでもご紹介していますが、今回は人工授精の具体的な実施回数や費用について、データに基づいて解説していきます。

1. 人工授精、理想の実施回数とは

人工授精の実施回数は、年齢や不妊原因によって大きく異なります。日本産科婦人科学会のデータによると、35歳以上の方の場合、以下のような目安が示されています。

■年齢別の推奨回数

  • 35~37歳:3~6回
  • 38~40歳:2~4回
  • 41歳以上:1~2回

これは、年齢による妊娠成功率と治療効果を考慮した目安です。ただし、これはあくまでも平均的な数字になります。不妊スクリーニング検査の詳細を参考に、ご自身の状況を把握することをおすすめします。

保険適用については、2022年4月から大きく変わりました。人工授精は、保険診療として年間6回まで受けることができます。

ただし、ここで重要なのが「質」の観点です。単に回数を重ねるだけでなく、1回1回の治療の質を高めることが大切なんです。

2. 人工授精の費用を徹底解説

人工授精の費用は、医療機関によって異なりますが、保険適用後の場合、一般的に以下のような内訳となります。詳しい費用については、タイミング法の費用についての記事もご参照ください。

■1回あたりの費用(保険適用の場合)

  • 基本治療費:3,000~5,000円
  • 培養液代:2,000~3,000円
  • 処置料:1,000~2,000円 合計:6,000~10,000円程度

これに加えて、排卵誘発剤を使用する場合は別途費用がかかります。排卵誘発剤の種類によって、5,000~20,000円程度の追加費用が発生します。

■助成金制度について 千葉県では、特定不妊治療費助成事業が実施されています。柏市在住の方は、市の独自助成も利用できる場合があります。柏市での不妊治療についての詳細をご確認ください。

3. 成功率を左右する要因

人工授精の成功率は、年齢や不妊原因によって大きく変わってきます。最新版の不妊原因ランキングでも解説していますが、日本産科婦人科学会の統計データを見てみましょう。

■年齢別の妊娠率(1回あたり)

  • 35歳未満:10~15%
  • 35~37歳:8~12%
  • 38~40歳:5~8%
  • 41歳以上:2~5%

ただし、これらは統計上の数字です。個々の状況によって、成功率は大きく変わることがあります。

特に重要なのが、以下の3つの要因です:

  1. 卵子の質
  2. 精子の状態
  3. 子宮内膜環境

これらの要因は、適切なケアによって改善できる可能性があります。卵子の質を上げる方法について、詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。

4. ステップアップのタイミング

体外受精への移行を考えるタイミングは、年齢と治療回数が主な判断基準となります。不妊治療のステップアップについてで詳しく解説していますが、以下が一般的な目安です。

■体外受精を検討すべき状況

  • 35~37歳:人工授精6回以上で妊娠に至らない
  • 38~40歳:人工授精4回以上で妊娠に至らない
  • 41歳以上:人工授精2回以上で妊娠に至らない

ただし、必ずしもステップアップしなければならない、というものではないと考えています。

当院でも過去には

・体外受精は夫婦でしないと決めている
・確率が上がらないとしても人工授精でしばらく続けたい
・できるだけ自然な方法で妊娠したい

そういう方たちがシリンジ法なども使って、体外受精にステップアップせずに妊娠した例もたくさんあります。

私たちのような病院以外の専門家とよく話してみるといいと思います。

5. 治療効果を高める体づくり

人工授精の成功率を上げるには、日々の体づくりが重要です。妊活に効果的な運動と組み合わせることで、より効果的な体づくりが期待できます。

■基礎体温管理のコツ

  • 毎日同じ時間に測定
  • 起き上がる前に測る
  • デジタル基礎体温計を使用

良好な排卵を促すために、生活リズムを整えることが大切です。不妊とストレスの関係についても理解を深めておくことをおすすめします。

■生活習慣の見直しポイント

  • 十分な睡眠時間の確保(7-8時間)
  • 規則正しい食事
  • 適度な運動(ウォーキング程度)
  • ストレス管理

これらに加えて、冷え性改善で体の中から温活が重要です。特に下半身を温めることで、子宮への血流が改善されます。

6. 鍼灸治療との併用で期待できる効果

不妊治療における鍼灸の効果については多くの研究データがあります。人工授精と鍼灸治療を併用することで、様々な相乗効果が期待できます。

■鍼灸治療の主な効果

  1. 子宮内膜環境の改善
  • 血流量の増加
  • 子宮内膜の厚みの改善
  • 着床環境の整備
  1. ホルモンバランスの調整
  • 自律神経の安定化
  • 基礎体温の安定
  • 排卵周期の正常化
  1. 全身状態の改善
  • 冷え性の改善
  • 血行促進
  • 免疫力の向上

鍼灸で不妊体質を改善する方法について、より詳しい情報もご用意しています。

7. 人工授精の実際の流れ

治療当日の流れについて、詳しくご説明します。人工授精と鍼灸治療の併用を検討されている方は、以下のポイントに注目してください。

■治療の手順

  1. 採精
  2. 精子の洗浄・調整
  3. 子宮内への注入
  4. 安静時間(15-30分程度)

所要時間は全体で1時間程度です。痛みはほとんどありませんが、軽い不快感を感じる方もいらっしゃいます。

8. よくある質問(Q&A)

Q1:仕事との両立は可能ですか? A:可能です。仕事と不妊治療の両立術で詳しく解説していますが、通院時間の確保が重要です。

Q2:副作用は心配ありませんか? A:一般的に大きな副作用はありませんが、個人差があります。

Q3:治療期間はどのくらいですか? A:不妊鍼灸で通う期間の目安を参考に、個々の状況に応じて検討します。

まとめ:理想的な治療計画の立て方

人工授精を成功に導くためには、以下の3つのポイントが重要です。

  1. 年齢に応じた適切な回数設定
  2. 体調管理による妊娠しやすい体づくり
  3. 鍼灸治療との効果的な併用

柏市のスタジオシュカ針灸治療院では、無料カウンセリングを実施しています。不妊治療専門の国家資格保有の鍼灸師が、一人ひとりの状況に合わせた施術プランを提案いたします。

■さらに詳しい情報は

※本記事の内容は、医療機関での適切な診断・治療を補完するものです。必ず主治医とご相談の上、治療方針を決定してください。

お悩みやご不安な点がございましましたら、お気軽にお問い合わせください。スタジオシュカ針灸治療院は、あなたの妊活をしっかりとサポートいたします。