卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスクと予防法〜治療継続のための心と体のケアガイド〜

2025-03-10  不妊治療

卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスクと予防法〜治療継続のための心と体のケアガイド〜

不妊治療で排卵誘発剤を使用すると、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)というリスクに直面することがあります。むくみや腹部膨満感、息切れなどの症状に悩まされ、治療継続に不安を感じていませんか?

このブログでは、OHSSの仕組みから症状の見分け方、予防策、そして東洋医学的なアプローチまで解説します。この記事を読むことで、OHSSのリスクを理解し、適切な対処法を身につけることができます。

心身の負担を軽減しながら不妊治療を続けるための実践的なガイドとしてお役立てください。

目次

  1. 卵巣過剰刺激症候群(OHSS)とは何か
  2. OHSSの症状と重症度の見分け方
  3. OHSSを予防するための対策
  4. OHSSと診断された場合の対応
  5. 東洋医学からみたOHSS予防と回復サポート
  6. 次の治療サイクルに向けた準備

1. 卵巣過剰刺激症候群(OHSS)とは何か

1-1. OHSSの発症メカニズム

卵巣過剰刺激症候群(OHSS)は、排卵誘発剤に対して卵巣が過剰に反応することで起こります。特にhCG製剤投与後に症状が顕著になることが多いです。

排卵誘発剤によって複数の卵胞が発育すると、卵巣が腫れ、同時に血管透過性が亢進します。血液中の水分が腹腔内などに漏れ出すのです。

このメカニズムには血管内皮増殖因子(VEGF)が関わっています。VEGFは卵巣から分泌され、血管の透過性を高める作用があります。

1-2. OHSSが起こりやすい人の特徴

OHSSは誰にでも起こる可能性がありますが、以下の特徴がある方はリスクが高いです。

  • 35歳未満の若い年齢
  • やせ型の体型(BMI低値)
  • 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の診断がある
  • 過去にOHSSを経験したことがある
  • AMH値が高い
  • 多数の卵胞が発育している

ご自身に当てはまる項目が多いほど、注意が必要です。

1-3. OHSSの発症率と統計データ

生殖補助医療(ART)を受ける方の中で、軽度のOHSSは約20〜33%に見られます。中等度から重度のOHSSになるのは全体の1〜5%程度です。

重症化するケースはさらに少なく、適切な管理と予防策があれば安全に治療を続けられます。

2. OHSSの症状と重症度の見分け方

2-1. 軽度OHSSの症状と対処法

軽度のOHSSでは以下のような症状が現れます。

  • 軽い腹部膨満感
  • 軽度の腹部不快感や痛み
  • わずかなむくみ
  • 軽い吐き気
  • 軽度の体重増加(2kg未満)

これらの症状がある場合は、安静にして水分をこまめに摂りましょう。症状が改善しない場合は医師に相談してください。

2-2. 中度OHSSの症状と対処法

中度のOHSSになると症状が進行し、生活に支障をきたすようになります。

  • 明らかな腹部膨満
  • 強い腹部不快感
  • 息切れ
  • 尿量の減少
  • 明らかなむくみ
  • 体重増加(2〜5kg)

これらの症状が見られる場合は、すぐに担当医に連絡しましょう。

「不妊とストレスの関係|妊活中の心のケア方法も紹介」でも触れているように、この時期の心理的ストレスへの対処も大切です。

2-3. 重度OHSSの症状と緊急受診の目安

重度のOHSSは医学的緊急事態です。以下の症状が一つでも見られたら直ちに医療機関を受診してください。

  • 呼吸困難
  • 激しい腹痛
  • 頻繁な嘔吐
  • ほとんど尿が出ない
  • 極端な体重増加(5kg以上)
  • めまいや失神
  • 下肢の顕著な腫れや痛み(血栓症の可能性)

これらの症状は体内の水分バランスが崩れ、合併症リスクが高まっている状態です。

2-4. 実際の体験者の声

「最初は採卵後の普通の痛みだと思っていました。でも次第に息苦しくなり、体重が3日で4kg増えたので病院へ行ったら中等度OHSSと診断されました。」(35歳・Aさん)

症状の進行は人によって異なります。「何かおかしい」と感じたらためらわずに医師に相談しましょう。

3. OHSSを予防するための対策

3-1. 治療前に医師と相談すべきポイント

OHSSのリスクを下げるためには、治療計画の段階から医師と相談することが重要です。

  • 自分のリスク因子について質問する
  • 排卵誘発剤の種類や投与量の調整が可能か
  • リスクを下げるプロトコルの選択肢
  • 採卵後にOHSS予防薬の使用が適切かどうか

質問事項をメモしておくと安心です。不安なことは遠慮せず相談しましょう。

3-2. 日常生活での予防策とセルフケア

OHSSリスクを下げるために日常生活でも工夫ができます。

  • 適度な運動と十分な休息
  • ストレス管理
  • 体調変化の記録
  • 高タンパク食を意識する
  • 塩分を控えめにする
  • 水分は少量ずつこまめに摂る

【妊活中のストレスを撃退!】仕事・夫・周囲からのストレスと上手に付き合う方法」で紹介しているストレス管理法も役立ちます。

3-3. 体質改善でリスクを下げる方法

治療開始前からの体質改善は、OHSSのリスク低減にも役立ちます。

  • 血流を良くする生活習慣
  • 冷えの改善
  • 規則正しい生活リズム
  • 自律神経のバランスを整える活動

東洋医学の観点では、「気・血・水」のバランスを整えることが重要です。鍼灸治療はこのバランス調整に効果的とされています。

柏市のスタジオシュカ鍼灸治療院では、不妊治療と併用できる体質改善アプローチを提供しています。初回トライアル(カウンセリング+施術 約90分)では、一人ひとりの状態に合わせた施術プランをご提案しています。詳しくはこちらをご覧ください。

4. OHSSと診断された場合の対応

4-1. 自宅療養での注意点

軽度から中度のOHSSは、医師の指示のもと自宅療養することが多いです。

  • 毎日同じ時間に体重を測定する
  • 尿量と色をチェックする
  • 腹囲を測定する
  • 水分摂取量を記録する
  • 緊急連絡先を常に手元に置いておく

自己判断で市販薬を服用するのは避けましょう。

4-2. 心のケアと治療継続への向き合い方

OHSS発症は精神的にも大きな負担となります。治療の中断や延期を余儀なくされる場合もあります。

  • 自分を責めないこと
  • 感情を抑え込まず、信頼できる人に話す
  • パートナーとの対話を大切にする

不妊治療の心と体を守る!メンタルケアの重要性と役立つ情報」も参考になります。一時的な治療の中断は、長い目で見れば心身の回復につながります。

5. 東洋医学からみたOHSS予防と回復サポート

5-1. 鍼灸治療による血流改善とホルモンバランスの調整

東洋医学では、OHSSの症状を「水毒(すいどく)」や「瘀血(おけつ)」の状態と考えます。鍼灸治療はこれらの状態を改善し、全身の気血水のバランスを整える効果があります。

特に以下のツボが効果的です。

  • 三陰交(さんいんこう):ホルモンバランスの調整と水分代謝の改善
  • 関元(かんげん):下腹部の血流を促進
  • 太衝(たいしょう):肝の働きを整え、気の流れを促進
  • 水分(すいぶん):水の代謝を助ける

鍼灸治療による血流改善は、卵巣周辺の循環を促進し、自律神経のバランスを整えることでホルモン分泌の安定化にも役立ちます。

不妊に悩むあなたへ。鍼灸治療が妊娠に繋がるメカニズムとは?」では、鍼灸の作用メカニズムについて詳しく解説しています。

5-2. 鍼灸と西洋医学の併用によるメリット

不妊治療(西洋医学)と鍼灸治療(東洋医学)を併用することで、相乗効果が期待できます。

  • 薬の副作用の軽減
  • 治療成功率の向上
  • 全身状態の改善
  • 心身のリラックス効果

体外受精と鍼灸の融合で、妊娠への一歩を。成功率アップと心身のリラックスをサポート」では、併用療法のメリットを詳しく説明しています。

柏市のスタジオシュカ鍼灸治療院では、不妊治療中の方々に寄り添った施術を提供しています。OHSS予防や症状緩和にも対応した施術プランで、あなたの治療継続をサポートします。詳しくはこちらからご確認ください。

6. 次の治療サイクルに向けた準備

6-1. OHSS経験後の医師との相談ポイント

OHSSを経験した後は、次のサイクルに向けて医師と以下の点について相談しましょう。

  • 次回の治療プランの見直し
  • 排卵誘発剤の種類や投与量の調整
  • 異なるプロトコルへの変更可能性
  • 予防薬の使用検討

医師とのコミュニケーションを大切にし、自分の体験や不安をしっかり伝えることが重要です。

6-2. より安全な治療継続のためのアプローチ

OHSSを経験した後は、より安全な治療アプローチを検討しましょう。

  • マイルドな排卵誘発法(低刺激法など)
  • 自然周期での治療
  • 採卵と胚移植の分離(全胚凍結と後日の融解胚移植)
  • 一度に発育させる卵胞数を制限する方法

不妊治療における採卵とは?詳細な解説と成功率、よくある質問」も参考になります。

東洋医学的アプローチで体質改善を進めることで、西洋医学治療の効果を高めつつリスクを下げられる可能性もあります。

まとめ

卵巣過剰刺激症候群(OHSS)は不妊治療の中で起こりうるリスクですが、正しい知識と適切な対応で多くの場合は予防や症状軽減が可能です。

ご自身のリスク因子を知り、医師と十分に相談しながら治療を進めることが大切です。症状が現れた場合は早めに対処し、必要に応じて医療機関を受診してください。

東洋医学的なアプローチも取り入れることで、体質改善や症状緩和に役立てることができます。鍼灸治療は血流改善やホルモンバランスの調整に効果的で、西洋医学との併用でより良い結果が期待できます。

不妊治療は長い道のりですが、一時的な困難を乗り越えて前に進むことで、妊娠への可能性は広がっていきます。心身のケアを大切にしながら、ご自身のペースで治療を続けていきましょう。

スタジオシュカ鍼灸治療院では、不妊治療中の様々な状況に対応した施術で、あなたの妊活をサポートしています。初回トライアル(カウンセリング+施術 約90分)では、お一人おひとりに合わせた施術プランをご提案します。ぜひホームページをご覧ください。


※この記事は医学的情報提供を目的としていますが、具体的な治療については必ず医師にご相談ください。不妊治療の最新情報については、厚生労働省の公式サイトもご参照ください。