月経中の頭痛の予防と鍼灸の論文
2020-03-25 海外での鍼灸
月経中の頭痛の予防と鍼灸の論文
スタジオシュカの宮崎です。
偏頭痛の原因は現時点では明確なものは示されていませんが血管が拡張した時に発生したり、三叉神経という脳から出ている神経が刺激されておこるなどといわれています。
ただ、家族で偏頭痛が多い人はなりやすかったり、女性では月経に伴い起こることがある事実は明確になっています。
月経中の偏頭痛の特徴としては持続時間が長い、痛みが一般的な鎮痛薬では効きにくい、一般的な偏頭痛にある前兆症状がみられにくい、月経の前後数日間に起こることなどがあげられます。
月経時には特に体内での女性ホルモンとエストロゲンの変動が激しく起きる時期ですので、このホルモンの変動が偏頭痛をきたすと考えられます。
偏頭痛に悩む女性では毎月どの時期に偏頭痛が起きるか、月経との関連はどうなのかを3か月も記録していれば月経に関連した偏頭痛なのかの診断は容易にできると考えられます。
女性ホルモンのエストロゲンは月経周期にともなって大きく変動します。
このエストロゲンの変動が偏頭痛の発作に大きく関係しているといわれています。
今回はこの月経中の偏頭痛の予防に鍼灸が効果があるという研究をご紹介します。
<研究方法>
月経中に偏頭痛が起こる女性患者140名をランダムに2つのグループに分けて研究が行われました。グループ1:鍼灸の治療とプラセボ投薬を受ける
グループ2:偽鍼灸の治療とナプロキセン(非ステロイド性抗炎症薬)の投薬を受ける全ての治療は3ヶ月間(3回の月経)にわたって行われ、鍼灸の治療は週3回、投薬は毎晩行われました。
調査は治療前、4週間後、16週間後の3回行いました。
月経中に偏頭痛が起こった日数を調査したところ、グループ2よりもグループ1の患者の偏頭痛の日数が大幅に減少しました。
引用:アメリカ国立生物工学情報センター 学術文献検索サイト(NCBI) 2011年8月
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21616596