子宮内膜症の痛みに関する鍼灸のメタ分析

2017-05-18  不妊治療

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子宮内膜症の痛みに関する鍼灸のメタ分析

スタジオシュカの宮﨑です。

子宮内膜症とは

子宮内膜症は、子宮にあるはずの子宮内膜が腹膜や卵巣などといった本来あるべきではない場所にできてしまう病気です。

子宮外にできたものでも月経周期に合わせて増殖と剥離を繰り返し出血するものの、月経血とは異なって排出されることがないため、炎症や痛みを引き起こします。

主な自覚症状は痛みの他に吐き気や便秘などが挙げられます。

生理の度に症状が酷くなりますが、痛みを生理痛と勘違いして病気のサインを見逃してしまうことが少なくありません。

生理が以前より重くなった、月経時ではないのに痛みがあるといった場合は検査を受ける必要があります。

治療方法

治療方法は手術によるものと、薬物によるものの2種類あります。

薬物療法にも種類があり、閉経の状態を擬似的に作ることで症状を抑える偽閉経療法や、低用量ピルを飲むことでホルモンバランスを変化させ、排卵を止める方法があります。

偽閉経療法では薬の副作用として更年期症状が現れることや骨密度が低くなるなど影響が非常に大きいため、長期間使用することができません。

低用量ピルについても副作用が出ることがありますが、重い症状が現れることはほとんどなく飲み続けることが可能なため、偽閉経療法に比べて利用しやすいのが特徴です。

以前にも子宮内膜症の痛みに鍼灸が効果があるという記事をお送りしていますが、今回はボストンで行われた子宮内膜症に対する過去の研究をメタ分析した調査をご紹介します。

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マサチューセッツ州ボストンのTufts Medical Centerにて24の研究を元にメタ分析を行いました。

そのうち全ての基準を満たした67名に焦点を当てて調査しました。

この67名は以下のグループに分けられていました。

グループ1:鍼灸の治療を受ける

グループ2:漢方の治療を受ける

全体的にはグループ1の効果率は90%以上、グループ2の効果率は60%でした。

中程度の痛みに関してはグループ1とグループ2の差はほとんどありませんでしたが、激しい痛みにはグルー1の効果率が大幅に高いという結果になりました。

この調査を行なった研究者は、この研究で鍼灸が子宮内膜症の痛みに効果がある可能性が示されており、今後ランダム化された二重盲検法での研究をするべきであると主張しています。

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引用:PubMed(アメリカ国立生物工学乗船センター論文アーカイブ)2011年
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmedhealth/PMH0015892/

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